加賀百万石の栄華をいまに伝える、美しい大名庭園として知られる兼六園。
実はSDGsの要素にあふれた場所でもあります。
景観の美しさだけではない、新たな楽しみ方をご案内いたします。
江戸時代から続く兼六園
兼六園は延宝4年(1676)に加賀藩5代藩主・前田綱紀(つなのり)が蓮池庭(れんちてい)を造ったのが始まりです。
それから約350年、代々の藩主たちは永遠の繁栄の願いを込めて作庭を続け、時代が変わり、さまざまな変遷がありましたが、江戸時代の大名庭園の特徴を残す林泉回遊式の庭園として、今日に続いています。
このように兼六園が持続できた理由を考えることで、持続可能な開発を進める上でのたくさんのヒントをもらうことができます。
また、本物にふれられる生きた教材にもなっています。庭園の国宝ともいうべき国の特別名勝に指定される兼六園。この価値を損なうことなく、次の世代へ残していくためにどうすればよいか、兼六園を訪れた皆さんと一緒に考えていければと願っています。
金沢はSDGs先進都市
2020年に金沢市は「SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。
戦禍や自然災害に遭わずにすんだ城下町・金沢には、先人たちから受け継いできた、自然に寄り添い、風習や季節感を大切にするくらしや文化が息づいています。
金沢を訪れる観光客が増えることで、次世代へ継承すべき、このような市民が大切にしてきたモノやコトが失われてしまわないように、金沢市では「責任ある観光(レスポンシブル・ツーリズム)」による、市民と観光客の双方がまちの魅力を共創し、持続可能な金沢観光をめざす、「金沢SDGsツーリズム」の取り組みを開始しました。
生物多様性の宝庫であり、金沢を代表する観光スポットでもある兼六園でSDGsを学ぶことはとても意義があります。
ストーリー別でSDGsを探求できるコースガイド
兼六園ではSDGsを学び、感じてもらう取り組みが始まっています。
SDGsの17のゴールを体感できる園内のスポットを、水、緑、伝統の技など、ストーリー別にまとめたコースを選定しています。
修学旅行や研修旅行はもちろん、知識を深める旅をしたい方におすすめです。